東京都知事に何を期待しますか?

東京都にお住いの皆さん、昨日の都知事選は、投票に行かれましたか?
そして、皆さんは東京都知事に、何を期待しますか?

人それぞれ、都政に関する思いは色々なのでしょうけど、東京都民の思いの最大公約数が東京都の目指すべき方向なのかもしれませんね。

ただ、大きな論点として各候補者の公約にも盛り込まれた点、例えば日本経済新聞7月18日の記事にもありましたが、①待機児童問題、②高齢者介護問題、③東京オリンピック・パラリンピック問題、④防災問題、⑤中小企業支援・経済対策といった部分では、大きな違いがありませんでした。
つまり、公約自体に大きな違いは存在しなかった事になり、主たる候補者は民意を理解していたという事になります。

では、選挙結果は何をもって明暗を分けたのでしょうか。

これも、みなさんそれぞれお考えがある事でしょうけれど、分かりやすい理由から考えますと、やはり「何を優先順位とするか?」という点かと思います。
増田氏は、待機児童問題と介護施設不足をメインで訴えていましたと感じます。
鳥越氏もやはり、待機児童問題と少子高齢化問題をメインで訴えていたと感じます。
それに対して、小池氏は都議会の冒頭解散から始まって、利権追及チームの創設、舛添氏問題に対する第三者委員会設置、東京オリンピック・パラリンピック(以下、「東京五輪」と記載します。)の予算問題など、政治と金に纏わる部分にフォーカスしていたと感じます。
つまりは、東京都民の民意としては、「今目の前にある問題を解決してくれるのは、当たり前でしょ。それ以前に、今の政治のモヤモヤする部分は何とかしてよ!」という事だったのでしょうか。

個人的な感想ばかりになってしまって恐縮なのですが、やはり東京五輪絡みの予算問題は、金額が大きいだけに「???」な事が余りにも多過ぎて、「そんなに予算を使って、大丈夫?」と思わざるを得ないところです。
具体的に申し上げますと、東京都の平成27年度予算は6兆9520億円でした。これは、日本の都道府県で最多の歳入額で、第2位の大阪府(3兆2886億円)と比べましても圧倒的な額です。

余談ですが、毎年年度遅れですが各都道府県の「財政力指数」がランキング形式で発表されています。
これは、歳出(基準財政需要額)に対して歳入(基準財政収入額)がどの程度賄われているかの指数で、1.0を超えれば年度予算が余剰であり、1.0より下なら予算が不足していて地方交付税交付金が必要となる、という事です。
各都道府県は、国家から地方交付税交付金を貰うために、頑張って予算を消化します。そして、この指数が1.0を下回るようにするのです。
しかし、元々歳入が多い都道府県は、予算消化が大変で、1.0ぎりぎり下になります。
最新の平成26年度における財政力指数のトップは東京都で、0.925でした。
つまり、東京都はちょっと予算を削減すれば、地方交付税交付金など貰わなくても、自力で財政を賄える地方自治体なのです。

さて、話を元に戻しまして、年度予算が約7兆円である東京都は、いったい東京五輪にいくらの予算を考えていたのか?
当初は、約7000億円と言われていました。
これでも、東京都全体の年度予算の約10%ですから、大変な金額です。
ところが、その後この予算が「見積もりが甘かった」、「資材が高騰した」等の曖昧な理由で、「3兆円は必要だろう」(舛添知事談)という話にすり替わってきました。
実に、東京都の年度歳入額の42%以上!!!
あまり政治に関心のない私でも、こればかりは「ちょっと待てよ、どうなってんの?」と思わざるを得ません。

小池氏が訴えたのは、まさにこの東京五輪の狂った予算編成への切り込みを皮切りに、トコトン財政の透明化を進め、不正があれば炙り出していく、といった事なのです。

気の弱い僕などは、「そんな事やろうとしたら、いくつ命があっても足りないよ!」と、思ってしまいます(笑)。
政治家の世界は、きっと一般人では理解できない、凄まじい世界なのだと思うのです。
戦国の世を思い浮かべていただくと近いのかもしれませんが、まさに文字通り「命を賭して」世の中を変えるのだという本気の気持ちを持ち、万全を期して言動をしませんと、ほんのわずかな隙間からも負のパワーが入り込み、瓦解を狙われます。
政治家としての生命を絶たれる事も政治家としては厳しい事なのかもしれませんが、本当の命までも取られてしまう事があったとしても不思議ではない世界ですもんね。
ましてや、兆の単位のお金が動く世界など暴風雨で強烈な時化の中で船出をするようなもので、最大の背景を持ち最大の注意力をもって舵を取らなければ、沈没の憂き目に遭いかねません。

また話が逸れてしまいましたが、私が今回の選挙で考えていましたのは、「すべき事は、明確。あとは、実行力!」という事でした。
実行力だけで考えるならば、自民党の後押しがある増田氏が選ばれても不思議ではなかったはず。
ただ、いくら頭のよい官僚出身者とはいっても、背景に政治家の影があって、自民党主導で東京五輪の予算問題はうやむやにされてしまうのでは、という都民の不安は拭い切れなかったということでしょうか。
かといって、本当に小池氏の実行力に期待をかけてよいものなのでしょうか?
結局、またどこか見えないところで政治交渉がなされ、結局うやむやにされてしまうのでは、という不安は拭えません。

果たして、今後の都政にとって、今が嵐の前の静けさなのか、単にまた同じことが繰り返される惰性への道程なのか、とっても気になるところです。